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国語科の学習でめざすもの

国語科の学習でめざすもの

国語科の学習でめざすもの

豊かな言葉が、君の豊かな世界をつくる

国語って、何をする教科なのでしょう。日本語で書かれた本は読めるし、作文だって書ける。話すことはもちろんできる。生活は不自由してない気がするのに、なぜわざわざ学習するのだろう?もしかすると、「とにかく道徳っぽい、先生の喜ぶ読み方や書き方をしておけばいい時間」と思っている人もいるかもしれません。でも、国語の時間は道徳の時間ではありません。では、国語は何を学ぶ時間なのでしょうか。

そのことを考えるために、ちょっと、赤ちゃんだった時のことを思い出してみてください。君が赤ちゃんだったとき、たとえば「犬」でも「猫」でもみな「わんわん」と言っていなかったでしょうか。また、「バイク」も「トラック」も全て「ぶーぶー」だったのではないでしょうか。もしそうだとしたら、赤ちゃんだった時の君と今の君とでは、同じ1つの世界を見ていても、その見え方が全然違うような気がしませんか。赤ちゃんの頃に比べて、今の君に見える世界のほうが、ずっと複雑で豊かです。

どうしてそんなことが起きるのでしょうか。それは、赤ちゃんだった頃に比べて、今の君が、はるかにたくさんの言葉を知っているからです。豊かな言葉が、君に豊かな世界を見せてくれます。君の世界は、君の言葉が作ります。言葉こそが君の世界です。

国語の授業は、この言葉について学ぶ授業です。より多くの言葉を学び、より多くの本を読み、そこからより多くの考え方を知りましょう。そうやって、いま君の目から見える世界を、もっと豊かに広げていくこと。それが、国語の授業がめざすものだと、私たち教員は考えています。

言葉にも色々な働きがあります。自分の意見や気持ちを人に「伝える」働き。それを何か他のものにたくして「ほのめかす」働き。中には<凍てつく炎>のように、意味はよくわからないけど、言葉と言葉の結びつきから別の「新しいイメージを生み出す」働きもあります。私たちは、このうちのどれか1つというものではなく、全ての言葉の働きについて君に学んでもらい、自分の世界をより豊かにしていくことを望んでいます(入試問題にも、そのようなメッセージを込めているつもりです)。

ぜひ、多くの言葉を知り、君の世界を豊かにしていってください。私たち教員も自分の世界を広げていきたいと思っていますし、君の周りの友人たちも、きっと同じように思っているはずです。一緒に言葉について学び、考え、議論することを通じて、お互いの世界をより豊かにしていきませんか。授業への君の参加を待っています。