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総合的な学習の時間

学校紹介About Tsukukoma

フィールドから発展的に学び、深く探究する

各教科の学習とは別に、より大きな学習テーマを設定し、さまざまな角度から学ぶ学習が、総合的な学習の時間です。
本校では中学校・高校でそれぞれ、次のように総合的な学習の時間を実施しています。

中学1年 1学期〜2学期

総合学習A 水田学習
 本校近くの駒場野公園内に「ケルネル田んぼ」と呼ばれる水田があります。明治時代の初め、本校の前身である駒場農学校に外国人教師としてやってきたオスカー・ケルネル氏が、近代農法を伝えるために作ったものです。本校はこの水田を現在まで維持継承し、中学1年生が1年間かけて、田植え・稲刈り・脱穀と米作りを体験します。収穫された餅米で餅つきをしたり、新入生や卒業生の門出を祝う赤飯にして配ったりしています。
 この水田学習は単なる稲作についての労作体験学習というわけではありません。米作りを通して、環境問題や稲作文化の歴史など、幅広い内容を学ぶことになります。
水田学習

中学1年3学期 〜 中学3年1学期

総合学習B・C 地域研究
 中学2年生で東京地域、中学3年生で東北地方の地域研究を行います。この学習では、それぞれの地域の歴史・文化・産業・経済・自然・環境などから、生徒個々がテーマを設定し、フィールドワークによって調査を行います。
 まずテーマを決め、テーマごとに班を作ります。その後、文献での事前調査など、フィールドワークを行う準備をします。訪問先への事前の了解をとることも生徒自身が行います。実際にフィールドワークを行った後、その結果を班ごとのレポートにまとめるとともに、ポスターやプレゼンテーションによる発表会を行います。レポートは毎年500ページほどの冊子にまとめられています。
地域研究

中学3年生

総合学習D 個別課題:テーマ学習
 中学3年生を対象にした、高度で専門的な内容を学ぶ講座です。専門的といっても内容は特定の教科の学習範囲に収まるものとは限りません。さまざまな教科から毎年8~10講座が開講され、どの講座も10〜20人程度の受講生徒を対象に授業が行われます。
 この授業で教員は、テーマに応じて資料や考え方を示したり、学校外での見学会などの用意をしたりしますが、実際に課題を見つけ調査・研究するのは生徒自身です。これが「個々人が発展的に学ぶ学習」ということなのです。
テーマ学習

中学3年生で2回程度

総合学習E 共通課題:集中講座
 テーマ学習が少人数、選択制の講座であるのに対し、これは中学3年生全員が共通の課題に取り組みます。一人一人の生徒が「発展的に学ぶ」という点は、テーマ学習と変わりません。
 例年、城ヶ島での理科野外実習と、上野の国立博物館見学など、2つの講座が設置されています。
集中講座

高校1年生・高校3年生

高校の総合的な探究の時間
 高校における総合学習は、高校1年生の水田学習・関西地域研究、高校3年生の総合活動があります。
高校の総合的な学習の時間

ここまで総合的な学習の時間の内容について説明しましたが、DとEで述べた「発展的に学ぶ」ということは、ここに限ったものではありません。個々の教科でも学年が進むにつれ、レポートにまとめ発表する、という形の学習が増えてきます。ここに本校の学習のめざすものがあります。

ただ机の上での勉強ができればよい、とは考えていないのです。いろいろな学習を通して、社会の様々な現象を深く理解し、人生を生きていく上での正しい判断力を身につけてほしいと考えています。新しいものに挑戦し、それまでにはなかったものを創造し、その成果を人々のために還元していくような、社会に貢献できる人材を育成すること、それが本校の学習が目指しているものなのです。21世紀の地球全体に関わる課題に対応できる人材を育成したいと考えているのです。

本校に入学すると、高校進学のためのいわゆる受験勉強は必要ありません。これまでの卒業生はそのことをいかし、興味ある分野の能力を大いに伸ばしたり、部活動や同好会活動に打ち込んだり、あるいは趣味の世界を広げたりしてきました。そうした精神的に豊かな中学校生活を過ごすことで得た様々なものが、個々の生徒の貴重な財産となり、高校・大学へと進学した後に大いなる人間的成長をとげるための基盤となっています。

また、本校の教員たちはそれぞれ、とても高い専門性を持っています。したがって生徒の多様な興味・関心に対し、どのようにも対応することができます。そうした点においても、本校での様々な学習から多くのことを得て、旺盛な知的好奇心が満足することでしょう。

土曜日活用暦

前述したように校外の方を招いたり、諸施設を訪問したりすることがあります。また、平日50分授業の中で実施するより、多くの時間をかけてゆったりと行なった方がよい学習もあります。そこで総合的な学習の時間は、生徒会活動や学校行事の準備活動などとともに、隔週の土曜日の午前中に行うことにしています。


※上記は2023年度の土曜日活用暦です。