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中学生による「ケルネル田圃日誌」~秋ver~

8月に投稿しました本校中学2年生によるケルネル田圃の観察日誌の秋バージョンです。夏に取材してくれた内容とは違うところが興味深く、今回もどんな生き物が登場するかワクワクします。記事は通常登校が始まった9月上旬に書かれたものです。

≪ケルネル田圃日誌~秋ver~≫

こんにちは!やっと通常授業が再開しました。9月1日の始業式の日、早速ケルネルに向かいました。また、9月7日にも行ったので、今日はその結果をまとめて報告します。

 前回と同じように、また生き物の話がメインになると思うので、気楽に読んでもらえるとありがたいです。

まず、稲です。全体的に元気なようですか、上の様にまとまって倒れているところがありました。風でしょうか。何があったのか、少し不思議な光景です。

後から聞いてみると、8月20日にドローンを飛ばした時の風で倒れたもののようです。ドローンの風って稲がこんなに倒れるくらい強いんですね。

また、前回、水が充分に届いていなかった奥の方の田圃では、雑草が猛威を振るっていました。

 水田が雑草に覆いつくされています。

 この少し細長い葉を持った植物は、黄色い花から推すと、チョウジタデ科の植物のようです。

 小さな白い花はオモダカでしょうか。

 

 奥にはコナギが密生しているのが見えます。

 そしてこれ。一見稲が元気に生えているように見えますが、違います。実のなっているところを見て下さい。形が全然違います。そう、黄色い丸で囲ったところは稲の穂、そして赤い丸で囲ったのは稗の穂です。同じイネ科なので、とてもよく似ていて、農家の方でもまだ小さい時は区別がつきにくいそうです。

 そう、つまりこれは、「稲」が元気に生えている様子ではなく、「稗」が元気に生えている様子なのです。力の差が圧倒的ですね…

 

〈9月1日談〉 

さあ、生き物の話へ!

 いざ水田へ入ると、田んぼの土の上で何か黒いものが動いています。

給水中のクロアゲハです。黒いアゲハチョウは意外と多くて、似た種類にオナガアゲハやカラスアゲハがいるのですが、クロアゲハはこの2種よりも尾状突起(オレンジで囲んだところ)が短いので区別できます。

それにしてもきれいですねー

 

 さらに進むと、黒いでっかい虫が飛んできました。

 ハチだ!でも普段見るハチとはずいぶん違います。下と見比べてみて下さい。

普通ハチと聞いて思い浮かべるのはこんなやつではないでしょうか。ちなみにこれはコガタスズメバチです。オオスズメバチとよく似ているのですが、大きさがこっちの方がやや小さく、性格もおとなしいです(比較的)。

 

 しかし、今見ているハチは全身真っ黒。しかも3㎝くらいあります。大きいです(ちなみによく知られているオオスズメバチが働きバチで27~40㎜)。

 調べてもよくわからず、同じ生物部で何という種類か聞いてみたところ、どうもクロアナバチ、というハチではないかとのこと。

 本当だ!クロアナバチです。幼虫のためにキリギリス類を狩る、「狩人蜂」です。

 

ふと横を見ると、、、

たくさんの足跡!

 よく見るといくつか種類があります。

 3つの深い線と2つの浅い線の四角形の足跡はカモ、爪が見えるのは猫、小さいのはネズミでしょうか。

いや、もしかしたら猫でなく狸かもしれません。

一体ここで何があったのか、、、

 

 さらに奥に進んでいくと、たくさんのかかしが…

今年も力作ぞろいです。

 

 そして右側を見ると、高い草の生えていた環境モニタゾーンが、刈られてはいれるようになっています。

シオカラトンボがたくさん飛んでいました。

 前回来たときはオオシオカラトンボが多いくらいだったのですが、不思議なことに今回見たのはシオカラトンボが大半で、オオシオカラトンボは数えるほどしかいませんでした。

 

 そしてこんなものもたくさんはねてました。

 コバネイナゴでしょうか。前回幼虫だったのは成虫になったようです。

 

 

 そして、前回に引き続き、会えました!

水の中に3匹のコマツモムシがいるのがわかるでしょうか。

 右下に見える小さな白い虫はケシカタビロアメンボだと思われます。

 どちらもいつか飼ってみたい種の1つです。

 

帰り際に池を見るとこんな光景が…

わかるでしょうか。

 この黒いやつ全部アメンボ。すごい数です。

 セミとアメンボに送られて帰りました。

 

〈9月7日談〉

 7日にも水田を訪問しました。

 すると、前回イナゴがいた環境モニタゾーンの隅っこにこんなのが!

 スズメガの赤ちゃん!

 スズメガの幼虫はおしりの方にピン、と突起があるので簡単に区別できます。

 個人的に馴染み深い虫の1つです。ちなみにこれはセスジスズメの幼虫。色が気持ち悪い、と言われることもありますが、手に乗せてみるとかわいいです。

 成虫になると、格好いいです。普通の蛾のイメージと違って、ものすごいスピードで飛びます。

 前回も話しましたが、ハチドリの様に1か所に羽ばたいて止まり、最高速度はなんと時速50㎞!

 これはものすごい速さです。

 

 時速50㎞というと、ヒヨドリの最高速度と大体同じようです。また、有名な翼竜プテラノドンの最高時速もこのくらいだったと推定されています。

 鳥や翼竜と同じスピードで飛べる蛾…

 ちなみに色々な説がありますが、昆虫ではギンヤンマが時速100㎞で飛べる最速の虫とされています。

これがギンヤンマ。今年捕まえたものです。筑駒のプールにも飛んでいます。

 

 ただ、アブの仲間が時速145㎞で飛んだという記録もあり、調べれば調べるほど奥が深いです。

 

 話がそれました。

さらに歩いていくと、こんな虫が。

 チャバネセセリ、前にスズメガと一緒に登場したセセリチョウの仲間です。

 スズメガほどではありませんが、これによく似たイチモンジセセリは、時速30kmの高速で飛べます。

 

 そしていました。毎年毎年発生するあの虫。

イナゴです。前回の幼虫ほど、1歩進めば10匹飛び出す、というほどではありませんが、たくさんいました。

 

 

 これを食べてくれるこんなのも探していたのですが、残念ながら2日とも出会えませんでした。

 カマキリ。出会えず残念です。前回の赤ちゃんはどうなったのでしょうか。

 

 

 さらに進むと、またぴょんぴょん跳ねるものが。イナゴか?と思ったら違いました。

 オンブバッタ。見事に今おんぶしてます。小さい方が雄で、大きいのが雌です。

 この季節よく見る光景です。

 

 

 そして、水路を見るといてはいけないやつがいました…

 大きいです。

 

 水草を切りまくって水質を悪化させ、畔に穴を掘って穴を作り、在来種の水生昆虫を食べてしまう乱暴者です。

 

 ただ、食べるとそれなりに美味しいです。

 一度、仲間と塩ゆでしてかじったのですが、泥抜きをさぼったせいで、泥臭くてあまりおいしくなかったです。今度ちゃんと泥を抜いて再挑戦したい。

 

 

それでは、今回はこれまで。

※前回同様、写真を撮影したのも本文を書いたのも本校の生徒です。季節によって変わる田圃の様子を紹介しました。

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