SSH研究報告書

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2009年の新政権発足に伴いスタートしたいわゆる「事業仕分け」では、説明能力、コミュニケーション能力の不足による誤解が、特に科学技術研究分野の仕分けで見られたように感じています。科学技術立国を謳う我が国において、専門の科学者だけでなく、広く様々な分野の人材が、科学的思考力、科学的コミュニケーション能力を有していることが望まれているのではないでしょうか。
本校は、平成14年(2002年)度に SSH校に指定され、2年間の延長期間を含め平成18年(2006年)度までの5年間にわたって、「先駆的科学者・技術者を育成するための中高一貫カリキュラム研究と教材開発」をテーマとした活動を広範かつ活発に行ってきました。その成果が認められ、平成19年(2007年)度からは、新たな5年間のSSH事業がスタートしました。新事業では、「国際社会で活躍する科学者・技術者を育成する中高一貫カリキュラム研究と教材開発―中高大院の連携を生かしたサイエンスコミュニケーション能力育成の研究―」と題して、特にサイエンスコミュニケーション能力の育成に重点を置いた活動を展開しております。理数系教科のみにとどまらず、文系教科も含めた全校的な取り組みが本校SSHの特徴でもあります。本ウェブサイトは、本校が行っております多様なSSH活動の状況と成果を、出来るだけ多くの皆様に知っていただくためのものです。本サイトが皆様の参考になれば幸いです。また、私どもの活動に対する感想や、忌憚のないご意見をお寄せいただければ幸いに存じます。

筑波大学附属駒場高等学校は、2007(平成19)年度に文部科学省の研究開発「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」の指定を再度受けることができ、それ以前の5年間と合わせると合計10年間という長期にわたるSSH研究開発を行っている最中です。この第2期のSSHでは、教師から教えられるだけではなく、生徒自身の「教え合い・学び合い」の側面を強調し、他者に教えることで本人にとっても真の理解をめざすこと、そして国際社会の中でも活躍できる力を育成することを目指して、新しい試みを始めています。
2009(平成21)年度は、台湾の台中第一高級中学へ生徒10名を派遣しました。英語で発表・質疑をする研究発表会を行っただけではなく、夕方からは台中一中の生徒が近くの屋台に案内してくれるなど若者同士の交流も深まりました。今年は派遣生徒を14名に増やし、より充実した国際交流を目指しています。また近隣の小学生に本校の中学生・高校生が理科や数学などを教える機会も増え、「教え合い・学び合い」の実践も継続しています。
2010(平成22)年から、国立大学法人筑波大学は第2期の中期計画・中期目標に沿った教育を始めています。その中で附属学校は、①先導的教育拠点 ②教師教育拠点 ③国際教育拠点 と自分たちを位置づけ、その社会的役割を果たそうとしております。現在取り組んでいるSSHに全力を注ぐことが、この3つの拠点化にもつながるのではないかと本校では考えています。
本Web上でのSSH報告をご覧いただき、皆様からの暖かいご助言、建設的なご批判をいただければ幸いです。

2007年度、文部科学省よりスーパーサイエンスハイスクール(SSH)五年間の再継続指定を受けました。ここで新しいSSHについて簡単に紹介いたします。
これからの五年間で本校が取り組んでいこうとしていることの一つに、「サイエンスコミュニケーション能力を育成する少人数学習の研究と実践」があります。これは、生徒どうしの教え合いや学び合いを取り入れた授業を作っていこう、というものです。より深い学びは他人に伝えたり教えたりする過程で得られる、というアイデアから「教えることを通して学ぶ」という活動に目を向け、生徒たちにもそれを実践してもらおう、ということなのです。例えば、本校が総合的な学習の時間として行っている高校二年生のゼミナールと中学三年生のテーマ学習をドッキングさせた授業などが考えられます。ここでは、グループ単位で高校二年生が中学三年生に教える場面を設けます。教える側は、説明することの難しさを知り、そこから深い学びへの欲求が生まれるでしょう。また、教えられる側も、身近な先輩たちの学習に大いに刺激を受けることでしょう。中学生には、近隣の小学校で科学実験講座を開く活動を行い、教える側の体験も得られるよう工夫します。
新しいSSHで掲げている柱には、ほかに「国際交流プログラムの計画と実践」があります。筑波大学の研究留学生とふれあう授業、中国をはじめアジアにおいて先進的な科学教育を行っている高等学校に出かけ、研究発表交流を行うことを計画しています。英語で研究発表をする機会が増えれば、一つ目の柱「サイエンスコミュニケーション能力の育成」にも繋がっていくことでしょう。ここでの人と人との交流体験が、将来アジアや広く国際社会で国と国を結ぶ生徒たちの活躍の下地になれば、とも願っています。また、新たに同好会として「サイエンス・コミッティ」という生徒組織が発足しました。ここでは、本校SSHプログラムの評価を生徒の視点から行ってもらい、次年度のプログラム立案にも関わってもらおうとしています。
このように新しいSSHでは、今まで行ってきた教材開発と授業での展開、教員向け実験講座による普及活動、といったさまざまな実践を継続しつつ、一方で生徒が主体となるプログラムを少しずつ増やしていこうとしています。生徒たちの一層の活躍が期待されます。



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