生徒の数学への興味・関心を高めるとともに、数学に対する理解を深め、数学を学ぶ意義を感じてもらうためには、中高の授業で学ぶ数学が将来どのように発展するのか、どのように活用されるのか等を知ることが有効である、という仮説のもと、各分野の最先端で活躍する外部の研究者に、1回90分で講演してもらう『数学特別講座』を実施している。したがって講義の内容は純粋な数学に限定せず、「統計」・「微分方程式」など数学を応用する分野も含めている。
実施に当たっては、授業中に「お知らせ」を配布説明して希望者を募り、期末考査後の特別授業期間中などに講義していただいている。
本年度に実施した特別講座のテーマと日程・講師は以下の通りである。回数は6年前からの通算、テーマと内容は生徒への募集案内に記載したものである。
みなさんは、新聞やテレビのニュースなどで「インフレ」や「デフレ」といった言葉を見たり聞いたりしたことがあるでしょうか。経済の状態を表わす指標として「物価(=モノの価格)」がよく使われます。現在の景気を判断したり、将来の経済の方向性を占うときに、物価の動きを捉えることが鍵となってきます。ところが、物価はどうやって決まるのか、また、そもそもモノの価格を表わすにはどのような方法がいいのか、といったところに経済と統計が複雑に絡む問題があります。実際、日本経済は長い歴史の中で、様々な物価の変化を経験してきたと同時に、物価を巡る数学的な研究も進んできました。
今回の特別講座では、モノの価格ゲームや物価の統計理論の紹介を通して、私たちの生活に身近な物価の経済学に焦点を当てます。どういうときにモノの価格が動くのか、どういう数学的な方法で集計したモノの価格が実感と合っているのか、具体的な計算をしながら話を進めていきたいと思っています。みなさんもぜひモノの価格の不思議に挑戦してみてください。

受講後のアンケートによると、参加者した46名の全員がこの講座の内容が今後の学習に役立つであろうと答えており、経済の中でも数学が利用されていることを知り数学を学ぶ意義を見出したと考えられる。
(アンケートの記述より)