f.理科インターンシップ

1.仮説

理科では2006年度より、筑波大学大学院生命環境科学研究科に所属し既に教員免許状を取得した教員志望の学生を毎年数名程度ずつインターンシップとして受け入れてきた。実施している内容は、授業参観、生徒実験の補助、授業実践、教材開発、教員の教務補助などである。こうした活動を通して、自分の研究する分野や実験だけでなく、幅広い教材の理解と先進的な理科教育に意欲を持った次世代SSH教員の養成が可能であると考えられる。

2.方法

今年度の理科インターンシップでは、生命環境科学研究科博士課程2年次在籍で井上勲教授の研究室に所属する野水美奈さんを生物科で受け入れ、週1日程度の活動実習を行った。

2.1 授業参観等

主に、中学2,3年生の生物分野、高校2年生の生物Ⅰの授業の参観と生徒実験の補助をしてもらった。生徒実験の内容は、微生物実験や遺伝の交雑実験、解剖実験、さらにSSH関連の分子遺伝学実験にまで多岐にわたった。

2.2 教材開発

新しい実験教材の開発では、野水さんの専門が単細胞藻類であったことからクラミドモナスとボルボックスを材料とした中学2・3年生対象の生徒実験1時間と講義1時間をデザインしてもらった。実験では客観的なデータを取るための工夫、考察課題の設定、レポートの採点について一緒に検討した。実験はボルボックスの光走性を調べるもので、生徒の興味関心を最大限に引き出す魅力的なものに仕上がった。翌週行われた講義では生徒が思わず目を見張る数々の動画データが紹介され、説得力のあるストーリーが展開されていた。

3.方法

授業参観や生徒実験の補助では、全領域をカバーとまではいかなくとも様々な生徒実験の実際を体験してもらうことができた。大学院生なので実験のコツやポイントは短時間に会得することができるし、またアシスタントとしての生徒に対するアドバイスも的確である。教育実習とは異なり、指導にあたる教員としても嬉しい。
<光走性を調べる実験手順の説明>
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<実験装置を確認する生徒たち>
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次世代SSH教員には、やはり高度な専門的知識や実験技能とそれを新しい教材開発に結びつけられる能力が求められよう。特に理科の実験教材づくりでは、技術的に生徒にも可能でありなおかつ客観性を持ったデータの取り方の工夫など、いくつかの要がある。レポートの文体ひとつとっても生徒が客観的記載ができるようになるまでには相当な反復指導が必要になるが、こうした指導技量も研究の現場で鍛えられた大学院学生に期待したいところである。実験の考察課題では、実験と関連性をもたせながらも生徒の十分な思考を期待できるものでなければならない。以上のような点を考えると当然ながら受け入れ指導する教員側にも大学院学生のもつ高度な実験技能や経験と知識を最大限引き出す助言や指導が求められる。SSHでの新しい教材開発の経験を活かしながら、このインターンシップを継続的に取り組んでいくつもりである。

(文責:生物科・仲里友一)