SSHの取り組み

ssh_kouza 筑波大学附属駒場高等学校長 林 久喜

本校は、2002(平成14)年度に文部科学省から「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」の指定を受けて以来、第一期、第二期の10年を経て、2012(平成24)年度から第三期の指定を受けました。新しい研究開発課題を以下のように定め、2012(平成24)年度から2016(平成28)年度の5年計画で研究開発を進めております。

(研究開発課題)

豊かな教養と探究心あふれるグローバル・サイエンティスト(global scientist)を育成する中高大院連携プログラムの研究開発(2012~2016)

本校SSHの目的は、第一期の指定当初から変わらず、将来の科学・技術研究のリーダーとなる人材の育成です。第二期までのSSHでは、特に「教え合い・学び合い」を通じてサイエンスコミュニケーション能力を育てるため、本校内外での異学年交流や海外校との研究交流など、数多くのプログラムを実施してきました。

例えば、中学3年総合学習の「テーマ学習」と高校2年総合学習の「ゼミナール」を同時開講したり、高校3年「テーマ研究(卒業研究)」発表会、小学生向けの実験講座(化学部・生物部)などを通じて、科学的内容をわかりやすく伝える技術が向上し、お互いの関わりあい方について多くの生徒が学びました。また、2010年度から始まった国立台湾台中第一高級中学との研究交流や釜山国際高校、上海国際高校、並びに他のコアSSH校の企画による海外校との交流を通じて、生徒は貴重な経験を積むことができ、英語によるプレゼンテーション能力やコミュニケーション能力の向上が図られました。特に、台湾台中第一高級中学との研究交流では、授業見学などの表面的なものにとどまることなく、互いの研究成果の発表と質疑応答や異文化交流など、科学を志す若者同氏のより深く親密な交流が毎年行われています。さらに、こうした海外における英語による研究発表という目標が設定されたことで、自ずと「ゼミナール」などにおける研究活動も活発となり、好循環を生んでいます。これらの取り組みは、第三期のSSHでも継続しております。

さて、今期のSSHでは、これまでの成果をもとに、幅広い教養と強い探究心をもつグローバル・サイエンティストの育成を目指します。具体的な研究開発の柱は以下の通りです。

(ⅰ)すべての生徒の探究心や研究意欲を高める大学研究室体験の実施(充実)
(ⅱ)意欲の高い生徒のためのグローバル・サイエンティストを目指す「課題研究」等のプログラム研究と実施
(ⅲ)科学者・技術者としての研究活動に必要な情報収集能力・メディア活用能力の育成
(ⅳ)国際交流や学会発表の場で通用する英語プレゼンテーション能力の育成
(ⅴ)SSH校や大学との連携を活かした数学的思考力を育てる教材の開発と普及
(ⅵ)科学者・技術者に必要な科学的リテラシーの育成

本校では、SSHの取り組みを理数系に限らず全教科による取り組みとしてとらえ、実施してまいりました。特に、科学リテラシー(柱ⅵ)では「科学者の社会的責任」について考える集中講座が教科を超えた普遍的な課題として本校SSHのベースになっております。また、本校は筑波大学の附属学校として大学との連携を最大限に活用して、中学3年生および高校2年生の全生徒が、筑波大学の希望する研究室を訪問し、大学研究室体験を通して探求心を深め、研究意欲を向上させる活動を充実させながら、中高大院連携活動を充実させております(柱ⅰ)。

さらに意欲の高い生徒には、少人数による「課題研究」によって研究遂行能力を高め(柱ⅱ)、情報収集・メディア活用能力を鍛え(柱ⅲ)、英語による学術発表能力を世界で通用するレベルに引き上げる(柱ⅳ)という、総合的なグローバル人材育成のプログラム開発を推進しております。